第4 労働災害
すべての事業主(一部の農林水産業を除く)が加入しなくてはならない。
労災保険の適用される事業場で雇用されている労働者(アルバイトも含む)。
ただし、社長、家族従事者、及び役員(役員兼従業員は除く)は給付を受けられない。
また、請負の場合、給付は受けらない。
派遣の場合は、派遣元事業主について適用される。
労働者が労働災害その他就業中または事業場内もしくはその附属建設物内における負傷、窒息、または急性中毒により死亡し、または休業したとき
→報告しなくてはならない。
@業務遂行性:事業主の支配管理下にある状態で起きたこと
A業務起因性:業務と発生した労働者の死傷病等との間に相当因果関係があること
5 通勤災害
@業務と関連のある往復であること
A住居から就業場所までの経路上であること
B往復する経路と手段が合理的であること
C事故が通勤と相当因果関係にあること
D逸脱(通勤と無関係の目的で経路を外れる)・中断(通勤と無関係の行為をする)のないこと
(1)療養給付
治療費などの費用など
(2)休業給付
休業開始4日目以降の賃金を支給されなかった休業日×給付基礎日額×60%
(3)傷病年金
療養開始から1年6ヶ月以上経過しても治癒しない場合に、傷病の等級(1級〜3級)に応じて、給付基礎日額の313日分〜245日分
(4)障害給付
後遺障害が残った場合に、等級(1級〜14級)に応じた給付
(5)遺族給付
死亡した場合
(6)介護給付
介護費用
(7)葬祭給付
死亡した場合に、給付日額×30日+31万5000円
事故による死亡や傷害の責任を負う者に対して損害賠償をすることはできる。したがって、事業者に安全配慮義務違反等がある場合には、損害賠償義務を負うことになる。
労災給付を受けている場合、その給付額の限度で損害賠償責任を免れ、その給付額を損害額から控除することができる。
ただし、将来給付される予定の保険給金額は損害額から控除されない(最高裁判決昭和52年10月25日)。
そこで、遺族年金や傷害年金の受給が予定されている場合、その受給権が消滅するまでの間であって、その年金にかかる前払一時金支払われるまでの間は、前払一時金の最高限度額相当額の限度で損害賠償の履行を猶予される(労災保険法64条1項1号)。